- 門前町のみどころ
- 道元禅師歌碑
- 門前大工村・百姓村
- 門前柏樹庵
- 永平寺門前ポケットパーク
- 下馬先(下乗旧蹟の碑)
- 白山神社
- 愛染明王
- 秋葉権現堂
門前町のみどころHighlight
- 歌碑を探してぶらり散策
道元禅師歌碑 - 永平寺の聖域を示す名残の碑
下馬先(下乗旧蹟の碑) - 永平寺門前のルーツ
門前大工村・百姓村 - 門前の総鎮守、宮大工の守り神
白山神社 - 一文字写経を体験できる
門前柏樹庵 - 2つの石に宿る夫婦愛、親子愛
愛染明王 - 愛らしいお地蔵様が目印
永平寺門前ポケットパーク - 防火の神様“あきはさん”
秋葉権現堂
歌碑を探してぶらり散策
門前の下馬先から本山龍門前までの間を散策すると、ところどころに和歌を刻んだ石碑を見つけることができます。これらの歌碑は1995年に永平寺町観光協同組合が建立したもので、全9基あります。刻まれた歌は道元禅師さまが詠まれたとされる和歌を集めた「傘松道詠」から選出。執筆は福井県の書家・中島牧泉氏です。 9つの歌碑を見つけながら、道元禅師さまが詠まれた歌の情景を思い浮かべて門前の街並みをぶらりと歩いてみるのも一興です。
永平寺門前のルーツ
永平寺門前は、かつて永平寺川を隔てて大工村と百姓村に分かれていました。 大工村は門前大工、志比大工と呼ばれる社寺の造作を専門とした宮大工たちの居住区。永平寺の宮大工の歴史は古く、一説によると道元禅師さまが中国での修業を終えて帰国するときに宋から同行した建築技師・玄繁盛(くろのはんじょう)という人物がそのルーツではないかと伝えられています。宮大工たちの技術は永平寺の伽藍建築で磨かれ、社寺建築界で確固たる地位を確立。江戸中期〜後期には技術的にも人員数でも発展を極め、永平寺の伽藍建築の維持だけでなく、越中(富山県)、近江(滋賀県)などへ出向き、各地の寺社造営も手掛けていました。 一方、百姓村の門前衆は山林や畑作をはじめ永平寺のさまざまな雑務を担っていました。両門前の人口は、江戸時代には男女500人にものぼったと言われています。
一文字写経を体験できる
1716年(享保元年)、門前大工村の宮大工・玄現左エ門(くろげんえもん)によって建立されました。1827年(文政10年)に現在の場所に移り、先代までは尼僧が住職を務めていました。 門前柏樹庵では、参拝客を対象とした一文字写経を行っています。266文字の般若心経を一人一文字書き、書かれた文字は一綴りにし、永平寺境内の報恩塔(納経塔)に奉納します。どなたでも参加できますので、お気軽に体験してみてください。
※一文字写経/毎週日曜日13:00〜15:00 費用:700円
愛らしいお地蔵様が目印
観光の合間の休憩スペースとして、2010年に整備されたのがポケットパークです。東屋とベンチ、液晶ディスプレイが設置され、永平寺の観光情報などを発信。ちょっとしたイベントスペースとしても活用されています。 また、ポケットパークの一角には愛らしい姿のお地蔵様が佇んでいます。このお地蔵様は門前の賑わい創出の一環として設置されたもの。子どもの背丈ほどの可愛らしいお地蔵様は、記念撮影にもぴったりです。親しみやすい表情が、永平寺の思い出に彩りを添えてくれるでしょう。
永平寺の聖域を示す名残の碑
京福バス停・永平寺から国道364号線を200メートルほど下っていくと、左手に「下乗」と書かれた石碑が見えてきます。下乗とは寺社などに敬意を表すために馬から降りるという意味で、かつて永平寺を訪れた人はどんなに身分が高い人であってもここで馬を降りて歩かねばならないことを表しました。下乗旧蹟の碑は、ここから先は永平寺の「聖域」であることを示す名残と言えるでしょう。 なお、このあたりは地元では通称「下馬先」と呼ばれており、石碑の向かい側の駐車場奥には門前の墓地があります。地元民は毎年8月13日、寂光苑での開山歴往諷経の後、ここで門前各家が精霊回向を修行します。
門前の総鎮守、宮大工の守り神
永平寺両門前村(大工村・百姓村)の総鎮守として、古くは永平寺27世嶺厳英峻禅師が拝殿を、永平寺30世智堂光紹禅師が伊勢宮を、その拝殿を35世版橈洪晃全禅師がそれぞれ寄進したといわれています。現在の拝殿は1992年に新築されたもので、神社入口には永平寺77丹羽廉芳禅師揮毫の「白山神社」という石柱が建っています。 拝殿左には聖徳太子を祀った「太子堂」があります。太子とは聖徳太子のこと。聖徳太子は大工道具の曲尺を発明したと伝えられており、大工信仰の神として門前宮大工に崇められてきました。 白山神社では、春彼岸・秋彼岸・12月9日の山祭りと、年3回の祭礼が行われます。3月の春彼岸中日(春分の日)には、その年に上山した永平寺の雲水が白山神社に詣で、役寮老師の導師のもと鎮守諷経をします。
2つの石に宿る夫婦愛、親子愛
秋葉権現堂から向かって右手に進むと愛染明王のお堂があり、中には大小2つの石が祀られています。愛染明王は愛情を司る神と言われており、この2つの石は夫婦愛、親子愛などを表すものと考えられています。 愛染明王の隣には稲荷明神もあり、中にはお札が祀られています。 秋葉権現堂、愛染明王は小高い場所に祀られており、見晴らしも抜群。お参りしたら、ぜひ門前の街並みを一望してみてください。
防火の神様“あきはさん”
永平寺門前町の街道のなかほどにある階段を上ると、見えてくるのが秋葉権現堂です。地元では親しみを込めて「あきはさん」と呼んでいます。あきはさんは防火の神様で、かつて幾度もの大火に見舞われた門前の人々は、古くからあきはさんを信仰してきました。現在も春と秋には秋葉山祭礼を行い、火防・無病息災・諸願成就を祈ります。 現在の建物は昭和46年秋に再築されたもので、「秋葉大権現」「金毘羅大権現」「薬師如来」が奉られています。